知っている人は得をしている 宝石の価値 / 諏訪恭一 著

先日発刊された宝石界のレジェンドであるSUWA(諏訪貿易)会長である諏訪恭一氏の著書「知っている人は得をしている 宝石の価値」を読了。氏の著作は何冊も読ませていただいておりますが、毎作丁寧で読みやすく宝石の産地見聞の説明やチャートなどは買い付けや商品を説明する際の仕事で参考にさせていただいています。

この度の新書は、氏が長年積み重ねてきた経験によって裏付けられた宝石の真価について書かれています。私も同じ宝石商として僭越ながらほとんどが賛同する内容でした。序章では事例をわかりやすストーリーに仕立て宝石業界の悪しき慣習にメスを入れ、後に続く章で宝石ビジネスの話から宝石がどう生まれ価値ある存在になるのか。そして宝石の買い方や選び方。資産価値としての理由まで「宝石」について全てのことが網羅されている一冊です。

私もこの業界の門戸を叩くまでは、序章のストーリーに登場する男性と同程度の宝石の知識しか持っておらず、キラキラと輝くだけの石に何の価値があるのか?なぜ婚約指輪は給料の約3ヶ月分もするのか?といった疑問を抱いたり、宝石には偽物がある…という話や人を見て値段を決めている悪徳業者がいる…といった噂を耳にすることで疑念を感じたりと、何となく宝石と自身の生活には距離を置いていたような気がします。

そんな私は広告・出版業界から宝石業界に入り宝石についての知識・見識を身につけ、ジュエリーの買い付けから販売、下取りや買い取り…と宝石を生業とし日々宝石についての様々な学びを得ることができているおかげで過去の疑問や疑念は振り払えられましたが、まだまだ一般的に宝石にネガティブイメージを持つ方がいらっしゃるのは否めません。

みなさまの中の悪いイメージを無くし、宝石を身近なものだと感じ普段使いをしてもらうことが我々の使命だと意識したとき、導き出した答えは「培った知識を正直に披露し、そして丁寧に説明する」ということでした。当オンラインサイトでは提案しているひとつひとつの商品ページをわかりやすく作成し、ジュエリーの魅力や価値を伝えることを心掛けております。また、お問い合わせの質問などにも丁寧に応えることでジュエリーのエキスパートとしての責務を果たす意気込みで取り組んでおります。

本書「知っている人は得をしている 宝石の価値」は、当店が持つ意識と取り組みが正しいことだと背中を押してくれているような、そんな一冊でもあります。

最後に、宝石は「人から人へ受け継がれ、価値を持ち続けるもの」という一節があり、これには改めてシンパシーを覚えました。その理由は是非本書を手に取って答えを見つけてください。

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