魅了するダイヤモンド

いつの時代も人々を魅了してきたダイヤモンド。
今更ですが、未だに魅了し続ける歴史を紐解いてみましょう。

(出典:GIA https://www.gia.edu)

天然ダイヤモンドはロシア、ボツワナ、コンゴ民主共和国、オーストラリア、南アフリカ共和国、カナダが主な産地で
キンバーライトという母岩から産出されますが、原石からの発見率は約0.05%と言われています。
さらに宝飾レベルのダイヤモンドの原石はその内の約15%と言われているため、
実に4トンもの母岩の中から僅か0.15ctしか産出されない大変希少な鉱物なのです。
その希少なダイヤモンドの原石は人間の手でカット、ポリッシュされ宝飾品として流通するのです。

歴史家の推説では、インドの田舎の河川からダイヤモンドが採集されたことがダイヤモンド史の始まりで
紀元前4世紀頃には取引が始まりインドの富裕層を魅了してきたそうです。
そこからヴェネチアをはじめ西ヨーロッパへと流通し
1400年代にはヨーロッパの富裕層を魅了するエキゾチックなファッションアイテムとして広がっていったのです。

1871年5月、デビアス鉱山が発見され、7月にはキンバリー鉱山が発見されました。
(出典:DE BEERS GROUP https://www.debeersgroup.com)

1700年代初期になるとブラジルが重要な産地となり、産出量が最大に達するとその後ブラジルは150年以上ダイヤモンドの市場を支配することとなります。
その間、フランス革命などの政治革命で富の分布が変化しダイヤモンドに魅了されてきた旧支配階級は1700年代後半までに減少し、
1800年代には西ヨーロッパとアメリカに新たに裕福層が増加しダイヤモンドは更に多くの人々を魅了していきます。
1800年代後半に差しかかるとダイヤモンドの需要は更に拡大し、同時期に探検家によって南アフリカで初めて巨大なダイヤモンド鉱床が発掘されました。

1888年3月、De Beers Consolidated Mines Limitedを設立。
(出典:DE BEERS GROUP https://www.debeersgroup.com)

起業家セシル・ローズは、南アフリカのダイヤモンド鉱床が発掘された22年後の1888年にDe Beers Consolidated Mines Limited(デビアス合同鉱山株式会社)を設立。 デビアスはダイヤモンドを南アフリカの鉱山で採掘し、ダイヤモンド原石の世界産出量の約90%を握ることとなります。
デビアスがダイヤモンドを支配することを機に多くの産業に影響を与え、効率的な採掘技術の開発やカッティングやポリッシュ技術の進歩、新たな鉱床の発見などにより
ダイヤモンドが世界中の人々に認知されることになります。

歴史が進んでもデビアスはダイヤモンドの価値を維持することに注力し、生産管理やマーケティングを徹底することでダイヤモンドの魅力を説き続け、
ダイヤモンドの素晴らしさを世に広めているのです。
「ダイヤモンドは永遠と愛の象徴」として、婚約・結婚指輪の理想であると宣伝し、ダイヤモンドは婚約・結婚における重要なアイテムと位置付け、
結婚への憧れを演出したことで、未だに世の女性を魅了し続けています。

DE BEERS キャンペーン広告 1947年(出典:DE BEERS GROUP)
<DE BEERS 広告 2014年(出典:DE BEERS GROUP)

また、イギリス王室に献上したり、雑誌や新聞にダイヤモンドのロマンチックな面を想起させるストーリーを掲載したり、
日本でも有名な「ダイヤモンドは永遠の輝き」というフレーズを長年広告のコピーに使い、高価な贅沢品という印象が弱まったことで、
身近なステータスシンボルになり誰でも手の届くファッションアイテムとして私たちを魅了しているのです。

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